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不動産投資の節税効果について

最終更新: 2018年7月1日



所得税・住民税の減税効果

不動産投資の節税効果で真っ先に挙げられるのが、給与所得から源泉徴収される「所得税」「住民税」の節税です。

本来、不動産投資は、賃貸借に供して長期的に得られる賃料収入「インカムゲイン」と、投資期間終了後、売却処分時に得られる利益「キャピタルゲイン」の二つが収益の柱であり、本来「利益」を得るために行う投資行動です。

法人が支給する給料は「給与所得」といい、不動産投資によって得られる所得を「不動産所得」といいます。

不動産所得は「家賃収入」から「必要経費」を引いたものであり、購入時の費用も「必要経費」に含まれます。


損益通算

ここで重要なポイントの一つとして、「損益通算」が挙げられます。簡単に言えば、「不動産所得」で生じた赤字を「給与所得」から差し引くことです。

平成バブル期の「不動産投資」は賃貸経営で赤字を作り、損益通算で「給与所得」を減らし「所得税」「住民税」を節税するスキームと転売利益(キャピタルゲイン)目的がほとんどでした。


減価償却

もう一つのポイントは「減価償却」です。「減価償却」は税務上、購入した資産を決められた耐用年数に分割して費用化することです。

不動産の構成物のうち「土地」は減ることはありませんので減価償却はありません。従って不動産の場合、建物の構造毎に「耐用年数」が決まっており、その年の不動産所得から「費用」として差し引くことができるのです。

この「減価償却費」は、実際にお金を動かすことなく費用計上するため、建物の減価償却期間中その恩恵を受け続けられます。

ちなみに税務上、建物の耐用年数は、木(W)造22年、軽量鉄骨(LS)造19年、鉄骨(S)造34年、鉄筋コンクリート(RC)造47年です。税法で決まっているため「法定耐用年数」と呼びます。

従って購入した投資物件の築年数が耐用年数以内であれば、帳簿上の費用である減価償却の恩恵を受け、収入から差し引く費用が多くなるわけです。

「損益通算」と「減価償却」の2つが「所得税」「住民税」の節税における大きなポイントです。


節税目的の不動産投資によるデメリット

黒字経営による増税

不動産投資は所得税・住民税、相続税、贈与税などを節税する効果があります。しかし、節税ができる反面、様々なデメリットがあります。

まず個人の「所得税」「住民税」ですが、投資用不動産の賃貸経営で赤字を出すことで「損益通算」により「給与所得」を減らすしくみですから、賃貸経営が黒字に転じれば逆に増税になることは当然です。

特に中古ワンルーム・一棟アパートなど、「減価償却」の耐用年数を超過した場合、帳簿上の費用である「減価償却費」がなくなると、収入から差し引く費用が減り、一気に黒字化してしまうのです。つまり減価償却はいつまでも続きません。


赤字経営による金融機関の印象悪化

また、赤字経営している法人に住宅ローンや次の物件を買うための投資用のアパートローンを貸し出す金融機関はありません。

「節税」だけを考えていると、こうしたデメリットを見逃してしまいます。

事業資金の借り入れを難しくするだけでなく、法人としての信用も落としてしまうことになるのです。


物価下落リスクによる資産価値の減少

物価下落で資産価値が下落すれば不動産の価格も下落します。

一定期間保有することが前提の不動産投資ではこうした「景気変動リスク」も考慮しなければありませんし、「金利上昇リスク」によって1%でも金利が上昇すれば毎月のローン返済額も増加し、収支は悪化します。

このように、不動産投資には確かに「節税効果」はあるものの、デメリットも多いため、単に「節税」を目的とした不動産投資は決しておすすめできません。

節税以外にもメリットがあるので節税のみを目的とした不動産投資ではなく、インカムゲインでコツコツと資産を増やす投資として検討した方が良いです。


節税目的の不動産投資はデメリットの方が大きい

確かに不動産投資には「節税効果」があることは確かです。

しかし、不動産投資の基本はあくまで長期的かつ安定的な賃料収入「インカムゲイン」を得ることが主眼です。

賃貸経営を赤字にする目的で物件を購入すれば、事業融資の際、金融機関の審査に落ち、資金調達ができなくなってしまうリスクがあります。

また相続・贈与税対策の投資物件購入も課税価格を減らすどころか、大事な資産価格そのものを減らしてしまうとすれば、その不動産投資は失敗です。

節税だけを目的とした不動産投資は危険であることがお分かりいただけたでしょうか。本来の目的を見失わない、中長期的な視点での不動産投資をおすすめします。


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